受付時間外のため、現在電話での予約はできません。
- 電話予約受付時間
- 9:00~23:00
- 診療時間
- 10:00~19:00(不定休)
- ※一部クリニックは異なります。
お手数おかけしますが、LINEもしくはWEBからのご予約をお願いいたします。
TCB理事長 寺西宏王医師らは日本の美容医療業界では初めて、ソーシャルメディアやウェブサイトなど各種メディアが患者様の来院動機に与える影響を研究し、論文「Investigation of Patients’ Motivation for Cosmetic Surgery in a Nationwide Cosmetic Surgery Group(全国規模の美容外科グループにおける来院動機の調査)」を発表いたしました。同論文は2024年1月19日、国際医療ジャーナル「PRS(Plastic and Reconstructive Surgery)Global Open」に掲載されました。
| 論文タイトル | Investigation of Patients’ Motivation for Cosmetic Surgery in a Nationwide Cosmetic Surgery Group |
|---|---|
| 掲載誌 | Plastic and Reconstructive Surgery-Global Open |
| 掲載日 | 2024年1月19日 |
| 著者 | Masao Saito MD, PhD; Ko Kawaguchi MD; Eri Hiramatsu MD; Nobuo Yamamoto MD; Yoshiko Hondo MD; Yumiko Nakagawa MD, PhD; Koki Okumura MD; Asami Sato MD; Hiroo Teranishi MD; |
| URL | https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10798778/ |
2017年のソーシャルメディア利用者数は世界人口の約3分の1でしたが、その後の急速な発展により、2023年には世界人口の半分以上、日本では約3分の2の人が利用するようになりました。これに伴い、ソーシャルメディア上の症例写真や動画を見てクリニックを訪れる患者様も増えており、美容外科におけるソーシャルメディアは重要な役割を担ってきています。
日本の美容医療業界で急速に成長しているTCBでは、ソーシャルメディアを含めたメディアの管理・運営に積極的に取り組んでまいりました。この研究の目的は来院動機に対する各種メディアの影響を把握し、患者様のニーズをより一層満たしたメディアの管理・運営を目指すことです。
2018年9月から2023年2月までの間、全国のTCBクリニックに来院された274,763人の患者様のうち、年齢や性別、治療内容など個人情報が不明なケースを除外した146,108人のデータを分析。2018年9月から2020年2月を「開業期」、2020年3月から2021年8月を「成長期」、2021年9月から2023年2月を「拡大期」と定義し、患者様の来院動機に与えるメディアの影響を3つの期間で比較しました。
来院の動機と背景
IQRに基づく患者様の年齢中央値は全期間が30歳(24-41歳)で、期間別では開業期が30歳(25-39歳)、成長期が29歳(24-39.5歳)、拡大期が30歳(23-42歳)となっています。
クリニックに訪れるきっかけを全期間で見ると、インターネット(53.7%)が最も高く、次いでInstagram(17.3%)、テレビ(6.3%)、YouTube(4.8%)、知人からの紹介(4.7%)となっています。開業期と成長期を比較して、インターネットと紹介は大幅に増加(インターネット: OR 1.28、95%CI 1.14-1.43、紹介: OR 1.48、95%CI 1.08-2.01)。開業期と拡大期との比較では、テレビ(OR 4.86、95%CI 3.09-7.65)やTikTok(OR 24.9、95%CI 3.50-177.0)などが大幅に増加した一方で、雑誌(OR 0.40、95%CI 0.29-0.55)や広告・看板(OR 0.26、95%CI 0.18-0.37)は大幅に減少しました。
各期間の来院動機(A:施術別、B:地域別)
クリニックへの来院動機のうちソーシャルメディアの割合を施術別に見ると、目元整形が時期を問わず他の施術よりも高く(開業期・成長期:39.3%、拡大期:40.2%)、目の下のクマ取りは開業期・成長期と比較して拡大期で大幅に増加(OR 1.26、95%CI 1.08-1.47)。拡大期では、ほくろ・いぼ(12.0%)、婦人科形成(16.9%)、脱毛(15.5%)、スキン(16.9%)でソーシャルメディアの割合が低い傾向にあります。
地域別に見ると、北海道・東北では開業期・成長期と比べて、拡大期にソーシャルメディアによる来院が急増しています(OR 2.39、95%CI 1.08-1.47)。拡大期でのソーシャルメディアの割合は、東京や大阪などの大都市(東京24.4%、大阪24.2%)が低く、地方都市(北海道・東北39.6%、近畿・中国・四国28.0%、九州・沖縄29.8%)では高い結果となりました。
来院動機別の年齢分布
クリニックに訪れるきっかけをメディア別で比較すると、どの年代でもインターネットやInstagramを見て来院する患者様が多い傾向にあり、年齢分布も同様となっています。TikTokの利用は10代後半から20代前半の患者様に集中していましたが、テレビやYouTube、紹介、レビューサイトは20代から40代の間の利用が高くなっていました。
本研究では、患者様がインターネットだけではなく各種メディアから情報を収集していることが明らかとなり、施術内容や対象年齢、地域に応じた方法で情報発信を行う必要性が示唆されました。クリニックを訪れるきっかけとして、成長期ではインターネットと紹介が増加し、拡大期ではテレビやTikTok、YouTubeなどが患者様の来院につながっていました。施術別で比較すると目元整形や目の下のクマ取りなどを受診される患者様はソーシャルメディアをきっかけに来院するケースが多く、脱毛やスキンケアなどはインターネットを閲覧して来院する患者様が多い傾向にありました。拡大期には地域的な違いも明らかとなり、ソーシャルメディアをきっかけとして来院した割合は大都市圏で低く、地方都市、特に北海道や東北で高い結果となりました。施術内容毎の年齢分布では、目元整形は10代と20代の患者様が多く、目の下のクマ取りは40代の患者様が多い傾向にあります。世代によって来院動機は異なり10代はTikTok、40代や50代はYouTubeを来院動機とする患者様が多いことがわかりました。施術内容とメディア双方の年齢層の傾向を組み合わせることで、より効果的な情報発信が可能となります。
