鼻中隔延長は10年後にどうなる?
後悔しないために注意する3つのポイント

2023/12/28 公開

2024/04/01 更新

鼻中隔延長は10年後にどうなる?後悔しないために注意する3つのポイント

鼻中隔延長とは、鼻の穴を左右に仕切る壁(鼻中隔)の長さを伸ばし、鼻先の高さや角度を調整する手術です。患者様ご自身から採取した軟骨を移植する鼻中隔延長は、半永久的に効果が続きますが、5年、10年など長期間経過すると、まれに以下の不具合が発生します。

  • 鼻中隔が曲がる
  • 移植した軟骨が浮き出る
  • 鼻呼吸しづらい

これら鼻中隔延長のトラブルはどうすれば回避できるのでしょうか?
このコラムでは、鼻中隔延長の10年後はどうなるのか、鼻中隔延長によるトラブルを回避するために注意することなどを解説します。

鼻中隔延長の10年後に起こり得る変化とは

鼻中隔延長は、適切な手術を受ければ10年後もトラブルは生じませんが、まれに以下のような変化が起こる場合があります。

鼻中隔が曲がる

鼻中隔延長を受けた後、以下の2つの理由で鼻中隔が将来曲がる可能性があります。

移植した軟骨が曲がる
鼻中隔延長は、耳の軟骨や肋軟骨などを移植して鼻先を調整します。移植する耳の軟骨や肋軟骨は、もともと湾曲しているため、まっすぐに加工しても経年変化で再度曲がってしまう可能性があります。
土台である鼻中隔軟骨が曲がる
移植した軟骨が曲がらなかったとしても、移植軟骨を支える土台である鼻中隔軟骨が曲がる可能性があります。鼻中隔延長は、もともと存在している鼻中隔軟骨の上に移植軟骨を継ぎ足して長さを出す手術です。鼻中隔が長くなって鼻先の皮膚が引っ張られると、鼻の内部に圧力がかかります。皮膚の圧力による負担に耐えきれなくなると、鼻中隔軟骨が曲がって変形してしまいます。
移植軟骨または鼻中隔軟骨のどちらかが圧力に負けて鼻中隔が曲がると、鼻の穴の形が左右非対称になる、正面から見た際の鼻のバランスが変わるなど、見た目にも影響を及ぼします。

移植した軟骨が浮き出る

手術後、鼻先の皮膚に強い張力がかかっていると、皮膚が引き伸ばされて薄くなるため、10年後に移植軟骨の輪郭が浮き出る可能性があります。浮き出ても不自然にならないよう軟骨を成形するか、移植軟骨の大きさを調整することで軟骨が浮き出るリスクは回避可能です。もともと皮膚が薄い方は軟骨が浮き出やすいため、特に注意する必要があります。

鼻呼吸しづらい

鼻中隔延長の手術後は患部が腫れ、むくみが生じるため、術後1~2週間程度は鼻がつまって鼻呼吸しづらい症状が現れます。通常であればこれらの症状は時間経過とともに落ち着きますが、ごくまれに術後6ヶ月程度経過しても症状が治まらない場合があります。
鼻閉症状は、鼻中隔延長で鼻中隔が太くなり、または鼻先が高くなった影響で鼻の穴が縦に引き伸ばされたため、鼻の穴が狭くなってしまったことが原因です。

鼻呼吸しづらい症状が続く場合は、移植した軟骨を一部削るか、すべて摘出することで症状が改善する可能性があります。しかし修正手術を受けると、鼻中隔延長後の鼻中隔よりも短くなるのは当然のことながら、本来の長さと同じか、それよりも鼻中隔が短くなる可能性がある点を十分に理解して修正に挑む必要があります。

鼻中隔延長のリスク

鼻中隔延長には、腫れ・内出血・術後の痛み・発熱などの他にも、注意すべき以下の4つのリスクがあります。

  • 鼻が曲がる
  • 鼻づまり
  • 鼻孔の左右差
  • 過度な延長・延長不足・延長する方向が違う

「鼻が曲がる」「鼻づまり」は、前述したとおり、鼻中隔延長の10年後に起こり得るリスクです。リスクを避けるためには、知識や症例実績が豊富な医師のもとで手術を受けることが重要です。
移植軟骨や鼻中隔軟骨が曲がる・歪むと、「鼻孔の左右差」が現れる可能性もあります。適切な軟骨組織を用いて適切な長さを延長すれば、大きな左右差は回避可能です。
「過度な延長・延長不足・延長する方向が違う」といったリスクも考えられます。医師の知識や症例実績はもちろんのこと、医師がこれまでに執刀した鼻のデザインがご自身の希望するデザインと似ているか、美的センスがご自身と合うかなどにも注意して医師を選んでください。

鼻中隔延長後はキスができなくなる?

鼻中隔延長を受けてもキスができなくなることはありません。しかし、術後然り10年後にトラブルへ発展しないよう、あらゆるリスクは回避したほうが賢明です。まずは以下の3点に注意してください。

ダウンタイム中は鼻に触らない
ダウンタイム中に患部へ刺激を与えると、仕上がりに影響を与える可能性があるため、鼻を触ることはもちろん、鼻に当たる可能性のあるキスも控えてください。
鼻中隔延長のダウンタイムでは、腫れや痛み、内出血などが1〜2週間程度続きます。さらに術後5〜7日程度は患部を固定しているため、固定を外した後2日程度はメイクや洗顔も避ける必要があります。そのため、ダウンタイム中はパートナーと会うことを避ける方も少なくありません。
飲酒を控える
お酒を飲むと血行が良くなり、腫れや内出血などの症状が悪化する恐れがあるため、術後2週間程度は飲酒を控えてください。術後2週間以降も、1ヶ月程度は過度な飲酒を避けるようおすすめします。パートナーとよくお酒を飲まれる方はご注意ください。
術後6ヶ月程度は刺激を与えない
ダウンタイムが落ち着いた後も、移植軟骨はまだ鼻先に馴染んでいないため、術後6ヶ月程度は鼻先に刺激を与えないように心がけてください。
腫れや内出血が落ち着き、傷跡も目立たなくなってきても、移植軟骨の同化はまだ完了していません。内部組織がまだ安定していない状態で鼻先に強い刺激が加わると、軟骨がずれる可能性があります。キスをする際は、鼻先に極力当たらないように気をつけてください。

10年後に後悔しないために注意すること

自身の軟骨を移植する鼻中隔延長は、拒絶反応が現れるリスクが低いというメリットがあります。しかし5年後、10年後に鼻中隔が曲がる、軟骨が浮き出る、鼻呼吸しづらいなどの経年変化が生じると、再度手術を受けて身体に負担をかける必要があるというデメリットも併せ持ちます。
望まない経年変化を回避するために、以下の3点に注意して手術を受けましょう。

経年変化を加味してデザインしてもらう
鼻中隔延長は、経年変化を加味して無理のないデザインで行うことをおすすめします。劇的な変化を望んで多量の軟骨を移植すると、鼻中隔が曲がる、軟骨が浮き出るなどのトラブルが発生するリスクが高まります。
医師と相談し、10年後も美しい鼻を保てる可能性の高いデザインを選択しましょう。
鼻中隔延長が適応なのか確認する
鼻中隔延長は、鼻先をしっかり伸ばしたい方や、鼻先の向き・角度を修正したい方に向いている手術です。鼻先を自然に伸ばしたい、シュッとさせたい方などは、鼻尖形成やその他の治療方法が適している可能性もあります。
また、希望のデザインの適応だけでなく、ご自身の鼻中隔の状態により鼻中隔延長が不向きな場合もあるため、治療方法は慎重に検討する必要があります。さらに、鼻中隔延長は他の鼻整形よりも比較的身体への負担が大きい手術であるため、ダウンタイムや身体への負担も考慮して検討しましょう。
信頼できるクリニックや医師を選ぶ
適切なデザインや適切な手術は、患者様だけで判断することは非常に困難です。そのため、信頼できる医師に診察してもらい、しっかりと相談して納得したうえで手術を受ける必要があります。
クリニックに足を運ぶことを惜しまず、できる限り多くのクリニックでカウンセリングを受けて比較し、手術のメリットだけでなくデメリットも説明してくれる誠実な医師を選びましょう。
また、Instagramや公式ホームページなどで事前に症例写真を確認し、ご自身が希望するデザインに近い症例を持っている医師を探してからカウンセリングを受けることもおすすめです。

鼻中隔延長はやり直しできる?

鼻中隔延長のやり直しは、ダウンタイムが過ぎ、鼻中隔が安定する術後6ヶ月程度経過してから医師に相談するようにしてください。再手術を希望する理由により、術後3週間程度で手術する方が良い場合もありますが、基本的には身体への負担を考慮して6ヶ月程度は期間を開けてから再手術することが多いです。
万が一、違和感がある場合は早めに担当医へご相談ください。

まとめ

自身の軟骨を移植する鼻中隔延長は、拒絶反応のリスクを抑えながら鼻先の高さや角度を調整できる優れた手術です。
しかし、経年変化による影響を視野に入れず、その時になりたいデザインのみ追い求めると、5年後や10年後に望まないトラブルを引き起こす可能性があります。鼻中隔延長を受ける際は、10年後に起こり得るリスクも考慮して、医師と相談しながらご自身の鼻の状態やご希望に適した手術やデザインを選択してください。

当院の鼻中隔延長は、身体への負担が大きい肋軟骨は使用せず、耳の入り口付近にある耳珠軟骨や、耳の形を支えている耳介軟骨を使用します。患者様の鼻の状態や皮膚の特徴を細かに診察し、できる限りご希望を叶えながら、10年後も美しい鼻でいられるようにデザインを調整して治療します。まずはお気軽にカウンセリングでご相談ください。

このQAを監修したドクター

安本 匠

新宿三丁目院 院長

安本 匠

TCBの「エリア総括院長」として活躍。
患者様の理想に近づけるための治療プランを複数提案し、術式や予算、リスクについてご納得いただいた上でお選びいただけるよう、丁寧な説明を心がけています。
日本外科学会認定専門医

経歴
2010年
山形大学医学部 卒業
2010年
山形大学医学部附属病院 循環器病センター
2011年
山形大学医学部附属病院 救命救急センター
2011年
日本海総合病院 外科
2012年
山形大学医学部附属病院 心臓血管外科
2013年
日本海総合病院 心臓血管外科 副医長
2014年
山形大学医学部附属病院 心臓血管外科 病院助教
2015年
TCB 東京中央美容外科 福島院 院長
2016年
TCB 東京中央美容外科 郡山院 院長
2017年
TCB 東京中央美容外科 仙台駅前院 院長
2023年
TCB 東京中央美容外科 新宿三丁目院 院長
備考
ボトックスビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ® 認定資格医
ジュビダームビスタ®バイクロス 認定資格医
日本美容外科学会(JSAS) 正会員
日本外科学会 専門医
日本脈管学会 専門医
下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の実施基準による指導医

関連したご質問

全国のTCBを探す

  • 都内
  • 関東
  • 北海道
  • 東北
  • 中部
  • 関西
  • 中国・四国
  • 九州・沖縄
  • Web予約をする
  • お電話・クリニック一覧
  • LINE相談・予約

電話予約受付時間:9:00~23:00 
診療時間:10:00~19:00(不定休)
※一部クリニックは異なります。
LINE相談・Web予約24時間受付中

公式SNS
 X
Youtube
LINE